給与所得控除計算ツール 令和8年版|基礎控除62万・最低保障74万・年収の壁178万対応

給与収入から給与所得控除額を令和8年分・令和7年分の両速算表で即計算。最低保障額74万円・年収の壁178万円・上限195万円の適用区分も自動判定。給与所得金額も同時表示。無料・登録不要。

執筆: 業務計算ポータル編集部 / 最終更新: 2026年5月25日

令和8年分は給与所得控除の最低保障額が74万円(本則69万+特例5万)。190万円超の区分は令和7年分と共通です

源泉徴収票の「支払金額」欄、または1〜12月に受け取る給与・賞与の合計額を入力してください

未入力: 給与等の収入金額(年額)
給与所得控除計算ツール 令和8年版 速算表・最低保障74万・年収の壁178万対応

給与所得控除とは?

給与所得控除とは、会社員・パート・アルバイトなど給与を受け取る人に対して、 給与収入の金額に応じて一定額を「必要経費の概算」として差し引ける制度です(所得税法第28条)。 個人事業主が実額の経費を差し引けるのと同様に、給与所得者にはスーツ代・通勤関連の支出・書籍研修費などを 個別に積み上げる代わりに、収入金額に応じた概算額が自動的に控除されます。

計算式は 給与所得金額 = 給与等の収入金額 − 給与所得控除額。 この給与所得金額が、所得税・住民税を計算するときの出発点になります。 本ツールは給与収入を入力するだけで、年度別の速算表に従って給与所得控除額を即座に算出します。

こんな場面で使えます

  • 確定申告の下準備: 源泉徴収票の「支払金額」から控除額と給与所得金額を検算したい
  • 住宅ローン・児童手当の所得判定: 審査・申請で必要な「給与所得金額」を自分で求めたい
  • 税務・経理の学習: 給与所得控除の速算表と適用区分を一発で確認したい
  • FPの顧客資料作成: 令和8年分・令和7年分の両速算表で差額を試算したい

令和8年分(2026年分)速算表 — 最低保障額74万円

令和8年度税制改正大綱により、令和8年分・令和9年分の2年間限定で 給与所得控除の最低保障額が本則69万円+特例加算5万円=74万円となりました。 基礎控除も58万円→62万円に引き上げられ、給与所得控除74万+基礎控除62万+その他調整で 給与収入178万円までは所得税が発生しない水準(いわゆる「年収の壁178万円」)に到達します。

令和8年分 給与所得控除額 速算表(出典: 国税庁 令和8年度税制改正大綱)
給与等の収入金額給与所得控除額
1,900,000円以下740,000円(本則69万+特例5万)
1,900,001円〜3,600,000円収入×30% + 80,000円
3,600,001円〜6,600,000円収入×20% + 440,000円
6,600,001円〜8,500,000円収入×10% + 1,100,000円
8,500,001円以上1,950,000円(上限)

令和7年分(2025年分)速算表 — 最低保障額65万円

令和7年度税制改正で、最低保障額が55万円→65万円に引き上げられ、 従来の「162.5万円以下」「180万円以下」の2区分が「190万円以下」に統合されました。 190万円超の3区分(30%・20%・10%)と850万円超の上限195万円は令和8年分と共通です。

令和7年分 給与所得控除額 速算表(出典: 国税庁 タックスアンサーNo.1410)
給与等の収入金額給与所得控除額
1,900,000円以下650,000円
1,900,001円〜3,600,000円収入×30% + 80,000円
3,600,001円〜6,600,000円収入×20% + 440,000円
6,600,001円〜8,500,000円収入×10% + 1,100,000円
8,500,001円以上1,950,000円(上限)

両年度の差分: 令和7年分と令和8年分で違うのは190万円以下の最低保障額のみ(65万円 → 74万円)。 同じ年収なら令和8年分のほうが給与所得控除額が9万円多い(給与所得金額は9万円少なくなる) という関係です。190万円超の区分と850万円超の上限は両年度とも同一です。

「給与所得金額」と「給与所得控除額」の違い

この2つはよく混同されますが、意味がまったく違います。

  • 給与所得控除額: 給与収入から差し引く金額。本ツールのメイン出力です。 給与所得者の「概算経費」に相当し、収入が多いほど控除額も大きくなります(ただし195万円で頭打ち)。
  • 給与所得金額(=給与所得の金額): 給与収入から給与所得控除額を差し引いた残りの金額。本ツールの副次出力です。 確定申告書 第一表「所得金額等」欄や源泉徴収票「給与所得控除後の金額」欄に記載されます。 所得税・住民税の計算はこの金額をベースに、基礎控除・社会保険料控除などを差し引いて行います。

たとえば給与収入500万円・令和8年分なら、給与所得控除額は 500万円×20% + 44万円 = 144万円。 給与所得金額は 500万円 − 144万円 = 356万円となります。 この356万円から基礎控除62万円・社会保険料控除・その他控除を差し引いた額が課税所得となります。

所得金額調整控除(850万円超で最大15万円)

給与収入が850万円を超える方のうち、以下のいずれかに該当する場合は 「所得金額調整控除」が適用され、最大15万円が給与所得から追加で控除されます(措置法41条の3の11)。

  • 本人が特別障害者に該当する
  • 23歳未満の扶養親族(年齢は前年12月31日時点)がいる
  • 特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族がいる

控除額は(給与等の収入金額 − 850万円)× 10%で計算し、最大15万円です。 1,000万円超は一律15万円となります。給与所得控除の上限195万円とは別枠で給与所得金額から控除されるため、 実質的な控除上限は195万+15万=210万円相当に拡張されます。

本ツールは所得金額調整控除に未対応

該当する方は、本ツールで算出した給与所得金額から別途、所得金額調整控除額を差し引いてください。 年末調整での適用には「所得金額調整控除申告書」の提出が必要です。

「年収の壁178万円」と給与所得控除の関係

令和8年分から登場した「年収178万円の壁」は、所得税が発生しない給与収入の上限ラインです。 この178万円は次の控除の組み合わせで成立しています。

令和8年分 給与所得者の所得税非課税ライン(出典: 令和8年度税制改正大綱)
控除金額備考
給与所得控除(最低保障)74万円本則69万+特例加算5万(令和8・9年分限定)
基礎控除62万円令和8年分 一般加算後(基礎48万+一般加算14万)
調整加算42万円令和8年分 給与所得者向け特例(所得480万円以下)
合計(所得税が0になる給与収入の上限)178万円所得税法第86条等

ただし、178万円の壁は所得税のみの基準で、住民税は別体系です。 住民税の非課税ラインは約110万円前後(自治体により異なる)、社会保険の壁は106万円・130万円のままです。 178万円は「給与収入として手取りを最大化できる上限」ではなく「所得税が課税されない上限」である点に注意してください。

自分で計算 vs 確定申告ソフト/税理士

給与所得控除の計算自体は速算表に当てはめるだけで難しくありませんが、 所得金額調整控除・複数所得源の合算・住宅ローン控除との重ね合わせなどが絡むと一気に複雑になります。 状況別の判断目安は次のとおりです。

自分で計算する

  • 速算表に収入を当てはめるだけで完結する
  • 源泉徴収票の検算・住宅ローン申込時の所得確認に十分
  • コストゼロで税制の中身を理解できる
  • 給与所得のみ・年末調整完結のケースなら追加コスト不要

確定申告ソフト/税理士に相談

  • 所得金額調整控除・特定支出控除など複雑な特例を自動判定
  • 副業・住宅ローン控除1年目・医療費控除などの確定申告書を一気通貫で作成
  • 850万円超・複数所得源・国際課税が絡むケースの誤申告を防げる
  • 税理士相談なら最新の税制改正への対応と還付最大化のアドバイスが得られる

状況別の判断目安

状況別の控除計算の判断目安(編集部が整理。年末調整のみで完結する給与所得者の比率は国税庁統計で約8割)
状況計算の負担判断の目安
給与所得のみ・年末調整完結低(5分以内)自分で計算でOK
副業所得あり・住宅ローン控除1年目・医療費控除あり中(30分〜2時間)確定申告ソフトが効率的
850万超・所得金額調整控除該当・複数所得源・国際課税高(2時間以上)税理士相談が確実

多くの会社員は年末調整で完結するため、本ツールでの検算で十分です。 ただし副業所得・住宅ローン控除1年目・医療費控除・ふるさと納税ワンストップ申請をしていない場合の寄附金控除などが ある場合は、確定申告が必要になります。確定申告ソフトを使えば、給与所得控除も含めた全控除の計算と申告書出力が自動化できます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 給与所得控除額と給与所得金額の違いは何ですか?

「給与所得控除額」は給与収入から差し引く概算経費の金額、「給与所得金額」はその差し引いた残りの金額です。たとえば給与収入500万円・令和8年分なら、控除額は500万円×20%+44万円=144万円、給与所得金額は500万円-144万円=356万円となります。確定申告書では「給与所得金額」のほうを記載し、所得税・住民税の計算はこの金額をベースに行います。源泉徴収票では「給与所得控除後の金額」欄に記載されている数値が給与所得金額です。

Q2. 令和8年分と令和7年分でなぜ控除額が違うのですか?

令和8年度税制改正大綱により、令和8年分・令和9年分の2年間限定で最低保障額が本則69万円+特例加算5万円=74万円となりました。令和7年分は最低保障額65万円です。差は190万円以下の収入帯のみで、年収190万円超の区分(30%・20%・10%)と850万円超の上限195万円は両年度で共通です。同じ年収なら令和8年分のほうが控除額が9万円多く、給与所得金額は9万円少なくなります。

Q3. 850万円超の上限195万円はどう適用されますか?

給与収入が850万1円以上の場合、給与所得控除額は一律195万円で頭打ちになります(令和7年分・令和8年分とも同額)。850万円までは10%控除+110万円のスライド計算ですが、850万円を超えた瞬間に195万円固定となります。たとえば給与収入1,000万円なら、所得税法上は10%×850万円+110万円=195万円が控除上限。1,500万円でも2,000万円でも控除額は195万円のままで、上限超過分には給与所得控除は適用されません。

Q4. 所得金額調整控除(最大15万円)は誰が対象ですか?

給与収入が850万円を超え、かつ以下のいずれかに該当する人が対象です(措置法41条の3の11)。①本人が特別障害者、②23歳未満の扶養親族がいる、③特別障害者の同一生計配偶者または扶養親族がいる。控除額は「(給与等の収入金額-850万円)×10%」で計算し、最大15万円です(1,000万円超は一律15万円)。給与所得控除の上限195万円とは別枠で給与所得金額から控除され、年末調整または確定申告で適用されます。

Q5. パート・アルバイトでも給与所得控除は受けられますか?

受けられます。給与所得控除は雇用契約に基づく給与収入であれば、正社員・パート・アルバイト・契約社員などの雇用形態に関わらず適用されます。最低保障額(令和8年分74万円・令和7年分65万円)が設定されているため、給与収入が190万円以下の場合は一律で最低保障額が控除されます。たとえば年間給与収入100万円のアルバイトなら、給与所得金額は100万円-74万円=26万円(令和8年分)となります。基礎控除62万円と合わせると88万円までは所得税が発生しません。

Q6. 年の途中で転職した場合、給与所得控除はどう計算しますか?

転職前後の給与収入を年間で合算し、合計額に対して給与所得控除額を1回だけ計算します。会社ごとに別々に計算するわけではありません。たとえば前職給与200万円+現職給与300万円=合計500万円なら、令和8年分の控除額は500万円×20%+44万円=144万円。源泉徴収票が2枚あれば現職の年末調整で合算処理されますが、退職後に空白期間がある場合や副業がある場合は、確定申告で本人が合算して計算する必要があります。

Q7. 副業のWワーク収入があるとき給与所得控除はどうなりますか?

本業も副業も給与収入なら、両方を合算して1回だけ給与所得控除を適用します(同じ年度の給与収入はすべて合算)。たとえば本業400万円+副業給与50万円=合計450万円なら、令和8年分控除額は450万円×20%+44万円=134万円。副業が雑所得(業務委託・原稿料など)の場合は給与所得控除は適用されず、必要経費を実額で差し引きます。Wワークで副業も給与の場合は、副業先の源泉徴収票を本業に提出するか、確定申告で合算してください。

Q8. 特定支出控除と給与所得控除はどう違いますか?

特定支出控除は給与所得控除の上乗せ制度で、通勤費・職務上の旅費・転居費・研修費・資格取得費・図書費・衣服費・交際費などの実額が「給与所得控除額の1/2」を超えた場合に、超過分を追加で控除できる制度です(所得税法57条の2)。利用には確定申告と支出証明(領収書・勤務先の証明書)が必須。たとえば給与収入500万円なら給与所得控除144万円の半額72万円を超える特定支出があれば対象。実務では、研修費・資格取得費を多く支出する士業・専門職などで活用例がありますが、要件が厳しく利用件数は少ない制度です。

出典・編集情報

本ツールおよび解説は、以下の公的機関の公表情報を一次ソースとして作成しています。

未対応・注意事項

  • 特定支出控除(通勤費・研修費等の実額控除)には対応していません。適用を受けるには確定申告が必要です。
  • 所得金額調整控除(850万円超、年金+給与)には対応していません。
  • 本ツールは所得税の給与所得控除を対象としています。住民税は別体系のため、住民税の給与所得金額はわずかに異なる場合があります。
  • 日雇労働者・短期アルバイトなど、源泉徴収の仕組みが異なる場合は別途確認が必要です。

執筆: 業務計算ポータル編集部 / 最終更新: 2026年5月25日

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※ 計算結果は参考値です。正式な税額計算や申告手続きについては、税理士または所轄税務署にご確認ください。 税制は改正される可能性があるため、最新の情報は国税庁ウェブサイトで必ずご確認ください。

本ツールは令和8年分(2026年)の税率・基準をもとに計算しています。最新の情報は各省庁のWebサイト等でご確認ください。