有給休暇計算ツール|付与日数と金額を3つの算定方式で即計算
勤続年数と週所定労働日数から年次有給休暇の付与日数を即計算。通常の賃金・平均賃金・標準報酬日額の3方式に対応。パートの比例付与・退職時買取の目安にも使える。労働基準法第39条準拠。
こんな場面で使えます
- 会社員: 有給を取った日の給与は結局いくら?を概算したいとき
- パート・アルバイト: 週4日以下勤務の「比例付与」日数を確認したいとき
- 人事・労務担当: 年10日以上付与される従業員の「年5日取得義務」を管理するとき
- 退職予定者: 未消化の有給を「買取」してもらう場合の概算を知りたいとき
本ツールは勤続年数と週所定労働日数から労働基準法第39条に基づく付与日数を算出し、 選択した算定方式に応じた1日あたり賃金と掛け合わせて金額換算を行います。
年次有給休暇とは?
年次有給休暇(有休・有給)とは、労働基準法第39条に定められた、 賃金が支払われる休暇のことです。一定期間継続して勤務し、 全労働日の8割以上出勤した労働者に対して付与されます。
有給休暇の付与条件
- 継続勤務要件: 雇入れの日から6ヶ月間継続勤務していること
- 出勤率要件: 全労働日の8割以上出勤していること
- 対象: 正社員だけでなく、パート・アルバイトも条件を満たせば対象
1日あたり賃金の3つの算定方式(労基法第39条9項)
有給休暇を取得した日の賃金は、労働基準法第39条第9項により、 次の3方式のいずれかで算定すると定められています。 どの方式を使うかは事業主が就業規則等で定めてあらかじめ1つに決めておく必要があり、 日によって方式を使い分けることはできません。
1. 通常の賃金(多くの会社で採用)
所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金を、そのまま支払う方式です。 最も一般的で、月給制の正社員が有給を取ったときに「いつもどおりの給与」が出るのはこの方式によるものです。
- 月給制: 月給 ÷ 月の所定労働日数
- 日給制: 日給そのまま
- 時給制: 時給 × 1日の所定労働時間
- 根拠: 労働基準法施行規則第25条
メリット: 計算がシンプルで、従業員にとって納得感が高い。通常勤務と同額になるため運用が楽。
デメリット: 時給制や出来高給では、日ごとに賃金が変動するため毎回計算が必要になる。
主な採用企業: 多くの一般企業(月給制の会社の大半がこの方式)。
2. 平均賃金
過去3ヶ月間の賃金総額を、その期間の暦日数(土日祝を含む総日数)で割って1日あたり賃金を算定する方式です。 出来高払いや日給制で賃金が変動する従業員に適しています。
- 原則: 過去3ヶ月の賃金総額 ÷ その期間の暦日数
- 最低保障額: 賃金総額 ÷ 実労働日数 × 60%
原則額と最低保障額のうち、高い方を採用する。 - 根拠: 労働基準法第12条
メリット: 直近の実績に基づいて算定されるため、変動給の従業員にも公平。
デメリット: 暦日数で割るため、通常の賃金方式より支給額が低くなる傾向がある。
主な採用企業: 日給月給制・出来高給・歩合給を採用している企業、季節労働の多い業種。
3. 健康保険標準報酬日額
健康保険法に定める標準報酬月額を30で割った額を1日あたり賃金とする方式です。 この方式を採用するには、労働者の過半数で組織する労働組合または過半数代表者との書面による労使協定が必要です(労基法第39条第9項ただし書)。
- 計算式: 標準報酬月額 ÷ 30
- 採用要件: 書面による労使協定が必須
- 根拠: 労働基準法第39条第9項ただし書、健康保険法第40条
メリット: 標準報酬月額は社会保険の事務で既に確定しているため、給与計算の手間が最小化できる。
デメリット: 労使協定を結ぶ手間がある。標準報酬月額は毎月の給与と完全一致しないため、従業員から質問を受けることも。
主な採用企業: 実際に採用している企業は少数。大企業や事務効率化を徹底している企業で見られる程度。
どの方式が適用されるかの確認方法
- まず自社の就業規則・給与規程の「年次有給休暇」条項を確認してください。 多くの場合「有給休暇取得日については、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金を支払う」などと明記されています。
- 就業規則に特段の定めがない場合、原則として「通常の賃金」方式が適用されます。
- 「標準報酬日額」方式を採用するには書面による労使協定が必須です。協定がなければこの方式は使えません。
- 事業主は3方式のうち1つをあらかじめ選択する必要があり、従業員ごと・日ごとに方式を使い分けることはできません。
不明な場合は人事部や社労士に確認するのが確実です。就業規則の整備に不安がある場合は、後述の関連サービスも参考にしてください。
付与日数の計算
通常労働者の付与日数(週5日以上)
週5日以上または年間217日以上勤務する通常の労働者には、 勤続年数に応じて以下の日数が付与されます。
| 勤続年数 | 0.5年 | 1.5年 | 2.5年 | 3.5年 | 4.5年 | 5.5年 | 6.5年以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 付与日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
パートタイム労働者の比例付与(週4日以下)
週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満のパートタイム労働者には、 所定労働日数に応じた比例付与が行われます。 たとえば週3日勤務で勤続3.5年の場合、8日が付与されます。 週1日勤務でも一定の付与日数が保証される点がポイントです。
年5日の取得義務(労基法第39条7項)
2019年4月の働き方改革関連法の施行により、 年10日以上の有給休暇が付与されるすべての労働者について、 使用者は年5日を確実に取得させることが義務付けられています。
- 対象: 正社員だけでなく、要件を満たすパート・アルバイトも含む
- 使用者には、労働者の意見を聴いたうえで「時季指定」を行う義務がある
- 違反した場合は、労働者1人あたり30万円以下の罰金が科される可能性がある
- 取得状況は「年次有給休暇管理簿」で管理し、3年間保存する義務がある
退職時の未消化有給の扱い
有給休暇の買取は原則として禁止されています(買取を前提にすると、労働者が有給を取得しなくなる恐れがあるため)。 ただし、以下の3ケースに限り、例外的に買取が認められています。
- 退職時: 退職までに消化しきれない有給を金銭で精算するケース
- 法定日数を超過する分: 就業規則で法定以上の日数を独自に付与している部分
- 時効消滅する分: 付与から2年を経過して時効で消滅する有給
本ツールでは「未消化日数」と「1日あたり賃金」を入力することで、 退職時買取の概算額を試算できます。 ただし、買取するかどうか・買取単価をいくらにするかは会社の任意であり、法律上の義務ではありません。 実際の買取単価は、通常の賃金と同額とするのが一般的ですが、就業規則や個別合意によります。
計算の根拠・免責
- 労働基準法第12条: 平均賃金の定義
- 労働基準法第39条: 年次有給休暇の付与日数・比例付与・時季指定義務・賃金算定方式
- 労働基準法施行規則第25条: 通常の賃金の算定方法
- 健康保険法第40条: 標準報酬月額の定義
計算結果は参考値です。実際の有給付与・金額算定は、自社の就業規則・労使協定・個別事情により異なります。 正式な手続きや判断については、社会保険労務士等の専門家にご確認ください。
本ツールは令和8年度(2026年)の税率・基準をもとに計算しています。最新の情報は各省庁のWebサイト等でご確認ください。
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