残業代計算ツール(基本給ベース・除外手当対応)|無料・登録不要
基本給と月所定労働時間から残業代を即計算。通常・深夜・休日・休日深夜を同時入力、月60時間超50%にも自動対応。詳細モードでは家族手当・通勤手当など除外可能手当を分離して、労基法施行規則21条に沿った正確な割増基礎賃金で算出します。
こんな場面で使えます
- 今月の残業代が合っているか確認したい会社員の方 — 給与明細を受け取る前後に、基本給と残業時間から概算額をセルフチェックできます
- 未払い残業代の請求を検討している方 — 月ごとの不足額の目安を把握し、交渉や労基署相談の判断材料にできます
- 求人票の「残業代別途支給」を試算したい方 — 提示された基本給と想定残業時間から、手取りのイメージをつかめます
- 人事・給与担当者の方 — 社員への支給額を検算し、割増基礎賃金の算定ミスを防げます
シンプルモード(基本給のみ)と詳細モード(諸手当を分離)を切り替えられるため、 ざっくり確認から実務の正確な検算まで1つのツールで完結します。
残業代の基本(労働基準法第37条)
残業代は、労働基準法第37条に基づき、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて労働した場合、 または深夜・法定休日に労働した場合に支払われる割増賃金です。 基本給をもとにした計算式は以下のとおりです。
基本の計算式
残業代 = 時間単価 × 割増率 × 残業時間
時間単価 = 割増基礎賃金 ÷ 月所定労働時間
シンプルモードでは「割増基礎賃金=基本給」として計算します。 詳細モードでは後述のとおり、除外不可の手当を加算した金額を割増基礎賃金として扱います。
4種類の残業を同時に計算できます
実務では1人の月給与で「通常残業20時間 + 深夜残業3時間 + 休日労働8時間」のように 複数種類の残業が混在することが多くあります。本ツールは4種類の残業時間欄を独立して用意しており、 該当する種類だけ時間を入力すれば、それぞれの割増率で計算した金額を合算して表示します。 該当しない種類は空欄または0のままで構いません。
割増率の種類
- 通常残業(時間外労働): 25%増(×1.25)。法定労働時間を超えた場合に適用
- 深夜残業(22時〜5時): 50%増(×1.50)。時間外25% + 深夜25%の合計
- 休日労働: 35%増(×1.35)。法定休日(週1日)に労働した場合に適用
- 休日深夜労働: 60%増(×1.60)。休日35% + 深夜25%の合計
月60時間を超える時間外労働
2023年4月より、中小企業を含むすべての企業で、月60時間を超える時間外労働に対して50%以上の割増賃金率が適用されます。 本ツールは「通常残業」に限り、60時間以内(×1.25)と60時間超(×1.50)を自動で分割して計算します。 たとえば通常残業を80時間と入力すると、結果欄に「通常残業 60時間以内(60時間 × 1.25)」と「通常残業 60時間超(20時間 × 1.50)」が並んで表示されます。 なお、深夜残業・休日労働はこの60時間規制の対象外のため、入力時間そのものに割増率を掛けて計算します。
割増基礎賃金から除外できる手当(労基法施行規則第21条)
割増賃金(残業代)を計算する際の「算定基礎となる賃金」からは、 労働と直接的な関係が薄く個人的事情に基づいて支払われる一部の手当を除外できます。 これは労働基準法第37条5項および同施行規則第21条で限定列挙されており、 以下の7種類以外の手当は原則として基礎賃金に含める必要があります。
除外可能な手当(7種類)
- 家族手当 — 扶養家族の人数・構成に応じて支給されるもの
- 通勤手当 — 通勤距離・通勤実費に応じて支給されるもの
- 別居手当 — 単身赴任等で家族と別居する場合に支給される手当
- 子女教育手当 — 子どもの学齢等に応じて支給される手当
- 住宅手当 — 家賃・住宅ローンなど住宅に要する費用に応じて算定されるもの
- 臨時に支払われた賃金 — 結婚祝金・災害見舞金など、一時的・偶発的な支給
- 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金 — 賞与、年1回の精勤手当等
注意点(通達ベース)
上記の名目に該当しても、実態として「個人的事情と無関係に支給されている」場合は除外できません。 典型的なのは以下のケースです。
- 一律定額支給は除外不可 — 扶養家族の有無にかかわらず一律に支給される家族手当、住宅の種類や家賃と無関係に一律支給される住宅手当は、基礎賃金に含めます
- 名目ではなく実態で判断 — 「〇〇手当」という名前でも、実質的に職務の対価・労働の対価となっているものは除外不可
根拠通達: 昭和22年11月5日 基発第231号(家族手当の取扱い)、 昭和23年2月20日 基発第297号(通勤手当の取扱い)など。
除外できない手当(基礎賃金に含める)
以下の手当は労基法施行規則21条の限定列挙に含まれないため、 割増基礎賃金に加算して時間単価を計算する必要があります。
- 役職手当 — 職位・ポジションに対して支給される手当
- 精皆勤手当 — 欠勤がない場合に支給される奨励手当
- 技能手当 — 特定の技能や業務能力に対する手当
- 資格手当 — 業務に関連する資格の保有者に支給される手当
- 職務手当 — 特定の職務を担当していることへの手当
- 地域手当 — 勤務地に応じた手当(実費精算でない場合)
これらに共通するのは、時間外労働の有無とは独立に、労働の対価として支給されているという性質です。 そのため、割増賃金を算定する際の基礎賃金に含めなければなりません。
詳細モードの使い方
本ツールの「計算モード」で「詳細(諸手当を考慮)」を選択すると、 手当を2種類に分けて入力できるようになります。
入力欄の使い分け
- 「除外可能な手当の合計額」 — 家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当(住居費連動)・臨時支給・賞与等を合計して入力
- 「除外不可の手当の合計額」 — 役職手当・精皆勤手当・技能手当・資格手当・職務手当・一律支給の手当等を合計して入力
計算のしくみ
詳細モードでは、以下の式で時間単価を算出します。
時間単価 = (基本給 + 除外不可手当)÷ 月所定労働時間
除外可能な手当は参考表示されますが、割増基礎賃金には含まれません。 シンプルモードに比べて時間単価が上がるため、残業代も増えます。 「毎月同じ手当が付いているのに、残業代が基本給だけで計算されている」という場合、 詳細モードで試算すると本来支給されるべき金額とのギャップが可視化できます。
給与明細の見方ガイド
詳細モードで正確に計算するには、自分の給与明細をどう読むかがポイントになります。
明細の「基本給」と「手当」を見分ける
- 「基本給」欄の金額はそのまま本ツールの基本給に入力
- 「〇〇手当」の各欄は、下記の判断フローで除外可能か除外不可かに振り分け
- 「時間外手当」「深夜手当」「休日手当」欄はすでに支給された残業代なので、入力対象には含めない
除外可能/不可の判断フロー
- 手当名が労基法施行規則21条の7種類(家族・通勤・別居・子女教育・住宅・臨時・賞与)に該当するか
- 該当する場合、支給額が個人的事情(扶養人数・通勤距離・家賃など)に連動しているか
- 連動していれば「除外可能」、一律定額なら「除外不可」として入力
判断例: 家族手当
- 「扶養配偶者 10,000円/扶養子 1人につき5,000円」→ 扶養人数連動のため除外可能
- 「家族の有無にかかわらず一律15,000円」→ 個人的事情と無関係のため除外不可
判断に迷う場合は、就業規則や賃金規程を確認するか、社会保険労務士にご相談ください。
未払い残業代請求を検討している方へ
本ツールの計算結果は、未払い残業代の概算把握にも活用できます。 請求を検討する際は以下のポイントを押さえておくと有利です。
- 時効は3年 — 2020年4月以降に発生した残業代の請求権は3年(改正前は2年)。古い月から順に時効で消滅するため、早めの対応が重要です
- 計算結果を月ごとに残す — スクリーンショットや印刷で、各月の計算条件(基本給・残業時間・手当構成)と結果をセットで保存しておくと、請求時の根拠資料として使えます
- 労働時間の証拠を確保 — タイムカード、勤怠管理システムのログ、PC起動・シャットダウン時刻、業務メールの送信時刻、交通系ICカードの履歴などが有効な証拠になり得ます
- 相談先 — 労働基準監督署(無料)、法テラス、労働組合、弁護士・社会保険労務士
月所定労働時間について
月所定労働時間は、年間の所定労働日数と1日の所定労働時間から算出します。 一般的には160〜176時間程度です。
月所定労働時間 = 年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間 ÷ 12ヶ月
就業規則や労働条件通知書に記載されていることが多いので、わからない場合は確認してみてください。
計算の根拠・免責事項
根拠法令・通達
- 労働基準法 第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)
- 労働基準法 第37条1項ただし書(月60時間超の50%割増・2023年4月から中小企業適用)
- 労働基準法施行規則 第21条(割増賃金の基礎となる賃金から除外される手当の限定列挙)
- 昭和22年11月5日 基発第231号(家族手当の取扱いに関する通達)
- 昭和23年2月20日 基発第297号(通勤手当の取扱いに関する通達)
- 労働基準法 第115条(賃金請求権の時効3年・2020年4月施行)
免責事項
本ツールの計算結果は参考値です。実際の残業代は、就業規則・労働協約・個別契約の内容、 固定残業代制度の有無、変形労働時間制・フレックスタイム制の適用状況などによって変動します。 未払い残業代請求や実務上の正式な判断を行う際は、社会保険労務士や弁護士などの専門家にご確認ください。
本ツールは令和8年度(2026年)の税率・基準をもとに計算しています。最新の情報は各省庁のWebサイト等でご確認ください。
このツールをより使いやすくするため、ご意見を募集しています。
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