残業単価計算ツール|基本給から時給・残業時給を即計算(無料)
基本給と月所定労働時間から自分の時間単価(基本給の時給換算)と残業時給(1.25/1.50/1.35/1.60倍)を一覧表示。転職検討・求人比較・給与明細チェックに。労基法第37条準拠・無料・登録不要・スマホ対応。
基本給と月所定労働時間を入れるだけで、自分の時間単価(基本給の時給換算)と5種類の残業時給を一覧表示します。 転職検討・求人比較・給与明細の残業単価チェックに、まず1分で単価を確認したい方向けの単価特化ツールです。
このツールでできること
本ツールは、基本給と月所定労働時間から自分の「時間単価(標準時給)」と5種類の割増単価(残業時給)を一覧で表示します。 残業代の総額を出すのではなく、単価そのものの見える化に特化しているのが特徴です。
- 時間単価(標準時給) — 1時間あたりの基礎賃金。基本給の時給換算値
- 通常残業時給(×1.25) — 法定労働時間を超えた時間外労働
- 通常残業 60時間超(×1.50) — 月60時間を超える時間外労働(2023年4月から中小企業も適用)
- 深夜残業時給(×1.50) — 22時〜5時の時間外労働
- 休日労働時給(×1.35) — 法定休日(週1日)の労働
- 休日深夜労働時給(×1.60) — 法定休日かつ深夜の労働
任意で「逆算残業時間」を入れると、各割増区分ごとの月額目安も参考表示されます。 総額を月ごとに試算したい場合は 残業代計算(総額型)ツール、 固定残業代(みなし残業代)制度に該当する方は 固定残業代計算ツール をご利用ください。
典型的な計算例(基本給30万円・月所定160時間)
イメージをつかむため、基本給30万円・月所定労働時間160時間のケースで、時間単価と5種の残業時給がどの程度になるかを一覧で示します。 自分の条件に近い数値を見ることで、給与明細の残業単価が妥当か即座に判断できます。
- 時間単価(基本給の時給換算): 300,000 ÷ 160 = 1,875円(切上前)→ 本ツールでは1,875円で表示
- 通常残業時給(×1.25): 1,875 × 1.25 = 2,344円(切上)
- 60時間超の残業時給(×1.50): 1,875 × 1.50 = 2,813円(切上)
- 深夜残業時給(×1.50): 1,875 × 1.50 = 2,813円(切上)
- 休日労働時給(×1.35): 1,875 × 1.35 = 2,532円(切上)
- 休日深夜労働時給(×1.60): 1,875 × 1.60 = 3,000円(切上)
月20時間の通常残業なら 2,344 × 20 = 46,880円、 月40時間なら 93,760円 が残業代の目安。 給与明細の「時間外手当 ÷ 残業時間」がこの数値を下回っている場合、割増基礎賃金の計上漏れや割増率の誤適用が疑われます。
こんな場面で使えます(ユーザージャーニー別)
ケース1: 転職検討中 — 年収交渉の材料集め
現職の残業時給を把握してから転職活動に臨むと、条件交渉で有利になります。 月給制でも時間単価に分解すれば「この会社は時給2,500円相当、次の会社は2,800円相当」と客観比較が可能。 オファー面談で提示された年収に対して、想定残業時間を加味した実質時給を逆算する材料にもなります。 副業の時給との比較、フリーランス転向時の希望単価設定の起点にも使えます。
ケース2: 求人比較中 — 「基本給」表記の裏側を見抜く
「基本給25万円・月所定170時間」と「基本給28万円・月所定160時間」—— どちらが時給換算で高いか、直感では判断しにくいものです。 本ツールで両方の時間単価を算出すれば、1,471円 vs 1,750円と一目瞭然に。 固定残業代込み表記の求人でも、基本給部分だけを抜き出して時給換算すれば、最低賃金違反リスクや基本給の薄さに気づけます。 面接前の下準備として1分で使えます。
ケース3: 労基相談・未払い請求前 — 自分で計算して証拠固め
「会社の残業代が少ない気がする」と感じたとき、いきなり労基署や弁護士に行く前に、 まず本ツールで法定どおりの残業時給を算出し、給与明細の時間外手当欄と突き合わせて差額を把握しましょう。 差額 × 残業時間 × 経過月数が、未払い残業代の概算額になります。 賃金請求権の時効は原則3年(2020年4月以降発生分。労働基準法第115条)なので、過去3年分まで遡及請求可能です。 計算結果を持参すれば、社労士・弁護士の初回相談で論点が即座に共有でき、相談時間を有効活用できます。 自分のケースが該当するか迷う場合は、社会保険労務士や弁護士への無料相談で一度確認するのが確実です。
割増率の詳解(1.25/1.50/1.35/1.60の根拠と適用場面)
労働基準法第37条は、時間外・休日・深夜労働に対して使用者に割増賃金の支払義務を課しています。 数字を単純に暗記するのではなく、どの条文のどの要件に該当するかを理解しておくと、 給与明細の割増単価が正しいか即座に判断できます。
×1.25 — 通常の時間外労働(労基法37条1項本文)
法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える時間外労働に対する最も基本の割増率です。 「時間外手当」「残業代」と給与明細に書かれる場合、通常この1.25倍が使われます。 週40時間を超えた分が対象で、所定労働時間(例: 1日7.5時間)は超えていても法定内に収まる時間は対象外です。 「法定内残業」は就業規則・労働協約の定めがなければ割増なしでも違法ではありません。
×1.50(60時間超) — 長時間残業の抑止(労基法37条1項ただし書)
月60時間を超える時間外労働については、50%以上の割増賃金が義務づけられています。 2023年4月から中小企業にも適用されており(2010年から大企業は適用済み)、 現在はすべての企業が対象です。長時間労働の抑止と労働者への経済的補償が目的の割増です。 月60時間超の残業が常態化している場合、過労死ラインに接近している可能性もあり、 勤務管理の見直しや労基署相談を検討する水準です。
×1.50(深夜) — 時間外25%+深夜25%の合算
22時〜翌5時の時間外労働は、時間外割増25% + 深夜割増25% = 合計50%増となります。 ここで注意したいのが、所定内(定時内)の深夜労働は深夜割増25%のみが適用され、 本ツールの「深夜残業時給」表示(×1.50)とは異なる点です。 たとえば夜勤勤務者の22時〜5時の労働は、法定時間外でなければ×1.25の深夜単価が基本となります。
×1.35 — 法定休日労働(労基法37条1項本文)
法定休日(週1日確保が義務づけられた休日)に労働した場合の割増率です。 週40時間規制とは別に、休日労働そのものに35%増の補償が課されます。 法定外休日(会社が独自に定めた週休2日目など)は時間外労働扱いとなり、×1.25が適用されるため、 自分の休みが法定休日か法定外休日かの区別が実務上重要です。 就業規則で「日曜日を法定休日とする」などと明記されているのが一般的です。
×1.60 — 法定休日 × 深夜労働
法定休日かつ深夜帯(22時〜5時)の労働は、休日35%増 + 深夜25%増 = 合計60%増となります。 最も単価が高くなる区分で、深夜シフトが休日にかかる場合は必ずこの単価で計算されている必要があります。 コンビニ・飲食・医療・運輸など24時間稼働の現場で発生しやすく、明細の割増表記を確認しておきたいポイントです。
時間単価の計算式(労働基準法第37条)
割増賃金を算定する基礎となる「時間単価」は、以下の式で計算します。
時間単価 = 割増基礎賃金 ÷ 月所定労働時間
シンプルモードでは「割増基礎賃金=基本給」として計算します。 詳細モードでは、労基法施行規則21条の除外手当ルールに沿って 基本給 + 除外不可手当 を割増基礎賃金として扱います。
端数処理について
本ツールは時間単価・割増単価ともに小数点以下を切上(Math.ceil)しています。 これは賃金支払における労働者有利の慣行(昭和63年3月14日 基発第150号、平成3年1月14日 基発第40号)に沿うものです。 会社によっては四捨五入する運用もあり、その場合は1円単位で差が出ることがあります。
詳細モード(諸手当を考慮)の使い方
「計算モード」で「詳細(諸手当を考慮)」を選ぶと、 手当を2種類に分けて入力でき、労基法施行規則21条に沿った正確な時間単価が算出できます。
除外可能な手当(7種類・限定列挙)
以下の7種類は割増基礎賃金から除外できます。 ただし一律定額支給は除外不可で、実態が個人的事情と連動している必要があります。
- 家族手当 — 扶養家族の人数・構成に応じて支給
- 通勤手当 — 通勤距離・通勤実費に応じて支給
- 別居手当 — 単身赴任等で家族と別居する場合
- 子女教育手当 — 子どもの学齢等に応じて支給
- 住宅手当 — 家賃・住宅ローンなど住宅費用に応じて算定
- 臨時に支払われた賃金 — 結婚祝金・災害見舞金など一時的・偶発的支給
- 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金 — 賞与、年1回の精勤手当など
除外手当の判定は名称ではなく実態で行います。 たとえば「住宅手当」という名目でも、全員一律月1万円のような支給なら除外不可となります。 自分の手当がどちらに該当するか判断に迷う場合は、社会保険労務士への相談や 就業規則の確認で実態判定を固めるのが確実です。
除外不可の手当(基礎賃金に加算)
以下は労基法施行規則21条の限定列挙に含まれないため、時間単価の分子に加算します。
- 役職手当・精皆勤手当・技能手当・資格手当・職務手当・地域手当(実費精算でない場合)
- 一律定額で支給されている家族手当・住宅手当(実態として個人的事情と連動していないもの)
根拠通達: 昭和22年11月5日 基発第231号(家族手当の取扱い)、昭和23年2月20日 基発第297号(通勤手当の取扱い)。
月所定労働時間について
月所定労働時間は、年間の所定労働日数と1日の所定労働時間から算出します。 一般的には160〜176時間程度です。
月所定労働時間 = 年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間 ÷ 12ヶ月
就業規則や労働条件通知書に記載されていることが多いので、わからない場合は確認してみてください。 月ごとに所定労働時間が変動する場合は、1年の月平均所定労働時間を用いるのが実務の慣行です。
残業単価の確認で気づくトラブル事例と相談先
本ツールで算出した残業時給と、給与明細の時間外手当を突き合わせた結果、以下のようなトラブルに気づくケースがあります。
- 割増基礎賃金の計上漏れ: 役職手当・資格手当が時間単価に含まれておらず、残業単価が過小になっているケース
- 60時間超の割増不適用: 月60時間を超える残業にも×1.25が適用され、×1.50との差額が未払いになっているケース
- 休日労働の区分ミス: 法定休日の労働が×1.25(法定外休日扱い)で計算されているケース
- 深夜残業の未計上: 22時〜5時の時間外労働が×1.25のみで処理され、深夜割増25%が乗っていないケース
- 固定残業代の内訳不明: 「月給に残業代込み」とされ、何時間分が含まれるのか不明で超過分が支払われないケース
相談先一覧
該当しそうだと感じたら、以下の相談先を状況に応じて使い分けましょう。 本ツールの計算結果をスクリーンショット等で持参すると、相談がスムーズです。
- 労働基準監督署 — 労基法違反が明白な場合の行政指導を依頼できる。全国各地に設置
- 社会保険労務士 — 賃金規程・就業規則の法的妥当性チェック、未払い残業代の精緻な試算
- 弁護士 — 会社との交渉・労働審判・訴訟が視野に入る場合の代理交渉
- 総合労働相談コーナー — 全国の労働局に無料設置。電話相談も可能で入口として最適
賃金請求権の時効は3年(労基法第115条。令和2年4月以降発生分)なので、 気づいた時点で早めに相談するのが未払い額の回収には有利です。
関連ツールとの使い分け
- 残業代計算(総額型)ツール — 通常・深夜・休日・休日深夜の残業時間を入れて月額の残業代総額を出すツール。 給与明細の「時間外手当」欄の金額を検算したい場合はこちら。
- 固定残業代計算ツール — みなし残業代(固定残業代)制度を使っている方向け。月額の固定残業代が何時間分に相当するかを逆算できます。
- 賞与計算ツール — 賞与(ボーナス)の手取り額を社会保険料・所得税込みで試算。月給の時間単価と合わせて年収全体を俯瞰できます。
- 年末調整計算ツール — 残業代を含む年間給与総額から還付額・追加徴収額を一括計算。12月の精算額を事前に把握できます。
- 残業単価計算(本ツール) — 自分の「1時間あたりの単価」そのものを知りたい方向け。転職検討・求人比較・給与明細の割増単価チェックに。
よくある質問(FAQ)
Q1. 割増基礎賃金に役職手当は含まれますか?
原則として含まれます(除外不可)。 労働基準法施行規則21条は割増基礎賃金から除外できる手当を7種類に限定列挙しており、 役職手当・職務手当・資格手当・技能手当などはこのリストに含まれません。 したがって時間単価の計算式の分子には、基本給 + 役職手当等を加算します。 詳細モードで役職手当を「除外不可の手当」として入力すると、正確な時間単価が算出されます。
Q2. 36協定との関係は? 36協定があれば残業単価も変わりますか?
36協定は残業の「上限時間」を定めるものであり、残業単価そのものには影響しません。 36協定(労基法36条に基づく労使協定)で特別条項を結べば月45時間を超える残業も可能になりますが、 割増率(×1.25・×1.50等)は法定どおりに変わらず適用されます。 36協定はあくまで「時間の枠」の話であって、「単価の計算」は別の論点です。 残業時間の上限や36協定特別条項の運用で疑義がある場合は、労基署や社労士にご相談ください。
Q3. 未払い残業代の時効は何年ですか?
賃金請求権の時効は原則3年です(労働基準法第115条)。 2020年4月の民法改正に伴い、労基法上の賃金請求権の時効は従来の2年から3年に延長されました(当面の経過措置。本則は5年)。 つまり2026年4月時点では、2023年4月以降に発生した残業代が請求可能範囲となります。 本ツールで算出した法定単価と給与明細の時間外手当の差額を、3年分遡及して未払い総額を試算できます。 時効直前の請求や具体的な請求手続きは、弁護士への早めの相談が有効です。
Q4. シフト制で月所定労働時間が毎月変わります。どの数字を入れればいい?
1年間の月平均所定労働時間を入力するのが実務の慣行です。 計算式は「年間所定労働日数 × 1日の所定労働時間 ÷ 12ヶ月」。 たとえば年間所定日数245日・1日8時間なら、245 × 8 ÷ 12 ≒ 163時間となります。 就業規則・賃金規程に「割増計算の基礎とする月平均所定労働時間」が明記されていることが多いので、 まず規程を確認してください。記載がない場合は人事・給与担当に問い合わせを。
Q5. 管理監督者(いわゆる管理職)にも残業単価は適用されますか?
労基法41条の「管理監督者」に該当する場合、時間外・休日の割増賃金は適用除外となります。 ただし深夜労働(22時〜5時)の25%割増は適用される点に注意が必要です。 また、管理監督者の要件は名称ではなく実態で判定され、経営者と一体的な立場・労働時間の裁量・相応の待遇の3要件を満たす必要があります。 「名ばかり管理職」問題(日本マクドナルド事件・東京地裁平成20年1月28日判決等)のように実態が伴わない場合は 管理監督者として認められず、残業代が遡及発生することもあります。個別判断は社労士・弁護士へ。
Q6. 歩合給(出来高払い)の場合はどう計算しますか?
歩合給は通常の時間単価計算とは別に、労基法施行規則19条1項6号の特別計算が適用されます。 具体的には「歩合給 ÷ 総労働時間」で歩合給部分の時間単価を出し、時間外労働時間 × 0.25 を追加で支払う方式です (通常は1.25倍ですが、歩合給はすでに基本部分が支払われているため、時間外の「0.25」部分のみ加算)。 本ツールは月給制(固定給)を前提にしているため、歩合給が含まれる方は専門家にご相談ください。
計算の根拠・免責事項
根拠法令・通達
- 労働基準法 第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)
- 労働基準法 第37条1項ただし書(月60時間超の50%割増・2023年4月から中小企業適用)
- 労働基準法 第115条(賃金請求権の時効3年。2020年4月改正)
- 労働基準法施行規則 第21条(割増賃金の基礎となる賃金から除外される手当の限定列挙)
- 昭和22年11月5日 基発第231号(家族手当の取扱いに関する通達)
- 昭和23年2月20日 基発第297号(通勤手当の取扱いに関する通達)
- 昭和63年3月14日 基発第150号・平成3年1月14日 基発第40号(端数処理・労働者有利原則)
免責事項
本ツールの計算結果は、2026年4月20日時点の労働基準法に基づく参考値です。 実際の時間単価・割増単価は、就業規則・労働協約・個別契約の内容、 変形労働時間制・フレックスタイム制・裁量労働制の適用状況などによって変動します。
令和6年(2024年)以前は、月60時間超の50%割増が中小企業には適用されていませんでした (2023年4月に中小企業へも適用拡大)。過去の残業代を遡って検算する場合は、当時の法令・企業規模に応じて割増率の扱いが異なる点にご注意ください。
未払い残業代請求・管理監督者該当性の判断・固定残業代条項の有効性チェックなど、 実務上の正式な判断を行う際は、社会保険労務士や弁護士などの専門家にご確認ください。 本ツールで算出した金額は、初回相談時の論点整理に役立てる参考値としてご活用ください。
本ツールは令和8年度(2026年)の税率・基準をもとに計算しています。最新の情報は各省庁のWebサイト等でご確認ください。
このツールをより使いやすくするため、ご意見を募集しています。
「計算結果が合わなかった」「こんな項目が欲しい」など、どんな小さなことでもお寄せください。
ご要望・ご意見を送る(約1分)