健康保険任意継続 vs 国民健康保険 比較|退職後の保険料を2年累計で即計算(令和8年度)
退職後の健康保険選択を2年累計で即比較。任意継続(協会けんぽ・東京/大阪/愛知/神奈川)と国保(横浜市確定値・他自治体暫定)を扶養人数・非自発的失業者軽減30%込みで判定。令和8年度料率対応。
こんな場面で使えます
- 退職を控えた会社員が次の保険を比較: 「任意継続と国保、どちらを選べば2年で安く済む?」を扶養家族込みで即試算
- 会社都合退職者が非自発的失業者軽減の効果を確認: 前年所得30%計算で国保がどこまで下がるかを比較
- 扶養家族のいる退職者が任意継続のメリットを試算: 被扶養者保険料ゼロの効果が国保の均等割増を上回るかを判定
- 社労士・FPが顧問先・相談者への説明資料を作成: パラメータを変えて即比較・推奨選択を提示
最終的な保険料額は自治体の正式告示・健保組合の独自料率により本ツールの試算値と異なる場合があります。 個別の判断・申請は協会けんぽ・お住まいの市区町村国保窓口・社会保険労務士にご確認ください。
任意継続と国民健康保険の仕組み・計算方法
任意継続(協会けんぽ)の計算方式
任意継続は、退職前に加入していた協会けんぽに最大2年間継続加入できる制度です (健康保険法第37条・第38条)。保険料は全額自己負担(在職中の労使折半ではなく会社負担分も自分で支払う)となります。
- 月額保険料の計算式: min(退職時標準報酬月額, 上限32万円) × 都道府県別料率
- 標準報酬月額が32万円を超えていた場合でも、上限32万円が適用されます
- 被扶養者の保険料はゼロ。扶養家族が何人いても月額は変わらない (「任意継続は常に高い」は誤り — 扶養家族が多い場合は国保より有利になりやすい)
- 40〜64歳(介護保険第2号被保険者)は介護保険料率1.62%が加算されます
- 申請期限は退職翌日から20日以内(健保法第37条第1項)。期限を過ぎると加入できません
- 2022年(令和4年)改正により、任意継続を途中でやめること(資格喪失申出)が可能になりました
国民健康保険の計算方式
国保は市区町村が運営する公的医療保険です。退職翌日から被保険者資格を取得しますが、 自動加入ではなく14日以内に市区町村への加入届が必要です(「国保は退職翌日から自動加入」は誤り)。
- 年額保険料の計算式: 医療分+後期支援金分+介護分(40〜64歳のみ)の各区分を合算
- 各区分 = min(所得割対象 × 所得割率 + 均等割 × 加入者数, 賦課限度額)
- 所得割対象 = max(前年給与所得 × 軽減係数 − 基礎控除43万円, 0)
- 賦課限度額(令和8年度): 医療67万円 / 後期支援26万円 / 介護17万円 (国民健康保険法施行令第29条の7)
- 非自発的失業者(特定受給資格者・特定理由離職者)は 前年所得を30%とみなして計算する軽減措置あり(施行令第29条の7の2第2項)。 「軽減されてもゼロ扱い」は誤り — 前年所得の30%に基づく所得割が計算されます
- 家族全員が被保険者となるため、扶養家族の人数分だけ均等割が加算されます
令和8年度 協会けんぽ料率(4都府県)
本ツールが対応する協会けんぽ都道府県別料率(令和8年度)は以下のとおりです。 介護保険料率1.62%は40〜64歳の場合のみ加算されます。
| 都道府県 | 健保料率 | 介護込み料率(40-64歳) |
|---|---|---|
| 東京都 | 9.85% | 11.47% |
| 大阪府 | 10.13% | 11.75% |
| 愛知県 | 9.93% | 11.55% |
| 神奈川県 | 9.92% | 11.54% |
出典: 協会けんぽ令和8年度都道府県別保険料額表(2026年4月施行)
典型的な計算例
ケース1: 独身・自己都合退職(国保が有利になりやすいケース)
標準報酬月額30万円・東京都・前年給与所得300万円・39歳・扶養ゼロ・自己都合退職の場合:
- 任意継続月額: 300,000円 × 9.85% = 29,550円 / 月、2年累計 約71万円
- 国保(東京23区暫定): 前年所得ベースで試算すると一般に国保のほうが安くなりやすい
ただし国保料率は自治体ごとに異なるため、本ツールで実際の数値を確認してください。
ケース2: 扶養家族2人・標準報酬低め(任意継続が有利になりやすいケース)
標準報酬月額20万円・神奈川県・前年給与所得250万円・38歳・扶養2人・自己都合退職の場合:
- 任意継続月額: 200,000円 × 9.92% = 19,840円 / 月(扶養2人でも変わらず)
- 国保: 本人+扶養2人=3人分の均等割が加算されるため、月額が任意継続を上回りやすい
「任意継続は常に高い」は誤りです。扶養家族が2〜3人以上いる場合は、 任意継続のほうが有利になるケースが多くあります。
ケース3: 会社都合退職・前年所得高め(非自発軽減が効くケース)
標準報酬月額40万円(上限32万円適用)・大阪府・前年給与所得500万円・45歳・扶養1人・会社都合退職の場合:
- 任意継続月額: 320,000円 × (10.13% + 1.62%) = 37,600円 / 月
- 国保: 非自発的失業者軽減により前年所得500万円を30%=150万円として計算するため、所得割が大幅に減少する
- この場合、非自発軽減適用後の国保が有利になりやすい
「非自発的軽減はゼロ扱い」は誤りです。前年所得の30%(=150万円)をベースに所得割が計算されます。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 任意継続と国保、どちらが安いですか?
条件によって逆転します。扶養家族が多い場合は任意継続が有利になりやすく、 独身・前年所得が低い場合は国保が有利になりやすい傾向があります。 また、会社都合・解雇等の非自発的失業者は国保の前年所得30%軽減が適用されるため、 国保が大幅に安くなることがあります。本ツールで実際の数値を入力して比較してください。
Q. 任意継続の申請期限はいつまでですか?
退職翌日から20日以内に協会けんぽへ申請が必要です(健康保険法第37条第1項)。 この期限は絶対で、遅れると任意継続に加入できません。退職が決まったら早めに手続きを進めてください。
Q. 国保の届出期限はいつまでですか?
退職翌日から14日以内に住所地の市区町村窓口への加入届が必要です。 国保は退職翌日から被保険者資格を取得しますが、自動加入ではなく届出が必要です。 届出が遅れても資格取得日は退職翌日に遡りますが、未届の期間の保険料も発生するため、速やかな手続きを。
Q. 非自発的失業者軽減はいくら安くなりますか?
非自発的失業者(特定受給資格者・特定理由離職者)は、国保の所得割計算において 前年給与所得を30%とみなして計算します(国民健康保険法施行令第29条の7の2第2項)。 前年所得が高いほど軽減額は大きくなります。たとえば前年所得500万円の方は、 150万円として所得割が計算されます。「ゼロ扱い」になるわけではない点に注意してください。 対象かどうかは離職票の離職理由コードで確認できます。
Q. 任意継続は2年経過後どうなりますか?
任意継続の加入期間は最大2年です(健康保険法第38条)。2年経過すると強制的に資格喪失し、 国民健康保険または家族の被扶養者・後期高齢者医療制度へ移行が必要です。 「2年経過後も継続可能」という情報は誤りです。
Q. 任意継続は途中でやめられますか?
2022年(令和4年)1月改正により可能になりました。任意継続被保険者は、 健保組合または協会けんぽに資格喪失申出書を提出することで翌月1日に資格喪失できます。 途中でやめた場合は国保への加入が必要になります。 保険料を比較しながら途中で乗り換えを検討する際は、事前に本ツールで試算してください。
Q. 扶養家族の保険料はどうなりますか?
任意継続では被扶養者の保険料はゼロです。配偶者・子供が何人いても 加入者本人の保険料のみが発生します。 一方、国保では扶養という概念がなく、家族全員が被保険者として均等割が人数分加算されます。 扶養家族が2〜3人以上いる場合は、この差が大きく影響します。
Q. 自治体料率が「暫定値」とはどういう意味ですか?
令和8年度の市区町村国保料率は、東京23区・大阪市・名古屋市・その他自治体について 2026年6月頃の正式告示前のため、横浜市の確定値を基準とした暫定値で試算しています。 実際の保険料はお住まいの市区町村公式サイト(国保のページ)で2026年6月以降に確認してください。 横浜市は令和8年度の国保料率が確定しているため、横浜市選択時は確定値で計算しています。
Q. 協会けんぽと健保組合(組合健保)の違いは?
協会けんぽ(全国健康保険協会)は中小企業の従業員が加入する保険者で、 都道府県ごとに料率が設定されます。大企業・特定業種の従業員が加入する健保組合は 独自の料率を設定しており、協会けんぽより低い料率の場合もあります。 本ツールは協会けんぽのみ対応しています。健保組合加入者は、 組合の公式サイトで任意継続料率を確認し、手計算で比較してください。
Q. 任意継続の保険料は全額自己負担なのですか?
はい、全額自己負担です。在職中は労使折半(会社が半分負担)でしたが、 退職後の任意継続では会社負担分もすべて自分で支払います。 そのため在職中の給与明細上の健康保険料の約2倍が月額負担になるケースが多く、 「退職したら保険料が高くなった」と感じる主な原因です。
Q. 国保の前年所得が低い・ゼロの場合は?
国保には所得に応じた均等割の軽減制度があります(世帯の所得が一定以下の場合に 均等割が7割・5割・2割軽減される仕組み)。ただし本ツールはこの軽減制度を算入していません。 前年所得が特に低い場合(例:前年途中で退職・ブランクが長い等)は、 国保の実際の保険料が本ツール試算より安くなる可能性があります。 詳細は市区町村の国保窓口でご確認ください。
Q. 結局どちらを選べばよいですか?
判断フローとしては以下を参考にしてください:
- 扶養家族が2人以上いる → まず任意継続を検討(国保は均等割が多く加算)
- 会社都合・解雇等の離職 → 国保の非自発軽減(前年所得30%計算)で国保有利になりやすい
- 退職時の標準報酬月額が32万円超 → 任意継続は上限32万円で計算されるためお得感が高まる
- 前年所得が高く、扶養ゼロ → 国保の所得割が大きく、任意継続が有利になりやすい
- いずれのケースも: 本ツールで数値を入力して2年累計を比較した上で判断してください
どうしても判断できない場合や、健保組合加入者・複雑な扶養要件がある場合は、 社会保険労務士またはFP(ファイナンシャルプランナー)への相談が有効です。 退職後の給付(傷病手当金の継続受給など)も含めた総合判断が必要な場合もあります。
公的機関・相談窓口
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)公式サイト — 都道府県別保険料額表・任意継続手続きの詳細
- お住まいの市区町村の国民健康保険窓口(市区町村公式サイト) — 国保料率・非自発的失業者軽減の申請方法
- ハローワーク(公共職業安定所) — 離職票の発行・特定受給資格者の認定
計算の根拠・免責
根拠法令・告示
- 健康保険法 第3条第4項・第37条・第38条(任意継続)
- 国民健康保険法 第76条(保険料)
- 国民健康保険法施行令 第29条の7・第29条の7の2第2項 (賦課限度額・非自発的失業者軽減)
- 協会けんぽ令和8年度都道府県別保険料額表 (東京9.85% / 大阪10.13% / 愛知9.93% / 神奈川9.92%・介護1.62%)
- 横浜市令和8年度国民健康保険料率 (医療8.33%・後期支援2.62%・介護2.84%。均等割40,870/13,380/16,200円)
暫定値運用と免責
令和8年度の市区町村国保料率は東京23区・大阪市・名古屋市・その他自治体について 2026-06頃の正式告示前のため横浜市基準で代用試算しています。 ツール上では「暫定値」と橙枠で表示されます。 実際の保険料は自治体公式サイトで必ず最新値をご確認ください。 協会けんぽ以外の健保組合(独自料率)にお勤めだった場合は、 組合公式サイトの料率で再試算が必要です。
また、本ツールは以下をスコープ外としています: 協会けんぽ以外の健保組合の独自料率 / 国保の均等割・平等割の所得軽減(7割・5割・2割) / 任意継続の前納割引(年4%複利現価法) / 標準賞与額に基づく計算 / 子ども・子育て支援金分(令和8年度新設・各区分3万円)。
※ 計算結果は参考値です。正式な手続き・加入判定・端数処理の差異については、 協会けんぽ・お住まいの市区町村国保窓口・社会保険労務士にご確認ください。
本ツールは令和8年度(2026年4月〜2027年3月)の税率・基準をもとに計算しています。最新の情報は各省庁のWebサイト等でご確認ください。
このツールをより使いやすくするため、ご意見を募集しています。
「計算結果が合わなかった」「こんな項目が欲しい」など、どんな小さなことでもお寄せください。
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