退職時期別 住民税徴収シミュレータ|一括徴収・普通徴収切替を即判定(令和8年度)

退職月で住民税の徴収方法が大きく変わります。1〜5月退職と6〜12月退職の分岐、退職金住民税(分離課税10%)、普通徴収4期分割の予測まで自動計算。地方税法321条の5に基づく令和8年度版。

住民税年度は6月〜翌5月。1〜4月退職は最終給与等から一括徴収、 6〜12月退職は申出なしなら普通徴収切替が原則。

直近の給与明細「住民税」欄の月額。年額がわかる場合は12で割った額を入力。

円

退職月の総支給額。一括徴収可否(給与+退職金で残額をカバーできるか)の判定に使用。

円

退職金がある場合のみ。退職金住民税は分離課税10%で別計算として表示します。

円

退職金住民税の控除額計算に使用。1年未満は1年として計算(端数切り上げ)。

年

転職先で給与天引きを継続したい場合は「あり」を選択。 「給与所得者異動届出書」の継続区分にチェックが必要。

未入力 4項目: 退職予定月、月額住民税、最終給与額 ほか1項目

このツールでできること

退職時の住民税には「一括徴収」「普通徴収切替」「特別徴収継続」の3パターンがあり、 退職月によって適用ルールが異なります。本ツールは月額住民税・退職月・最終給与・ 退職金・転職予定の有無を入力するだけで、地方税法に基づく徴収方法と金額を即判定します。

退職月別の徴収ルール(地方税法第321条の5)

住民税の特別徴収年度は6月〜翌5月です。退職すると、退職月の翌月から翌年5月までの 「残月分」の徴収方法を切り替える必要があります。地方税法第321条の5第2項ただし書が 退職月別の分岐を定めています。

退職月 原則の徴収方法 条件・補足
1月〜4月 一括徴収(強制) 最終給与と退職金の合計が残月分全額を超える場合のみ一括徴収。不足時は普通徴収切替
5月 追加徴収なし 住民税年度(6月〜翌5月)の最終月。残月数はゼロ
6月〜12月 普通徴収(原則) 申出があれば一括徴収可。申出なしなら自治体から納付書が届く

※「1〜5月退職は必ず一括徴収」は誤解です。給与・退職金が残月分の住民税に満たない場合は 不足分が普通徴収に切り替わります(地方税法第321条の5第2項ただし書)。

普通徴収の年4期分割(地方税法第320条)

普通徴収に切り替わった場合、地方税法第320条により年4期(6月・8月・10月・翌1月)に分けて 自分で納付します。各期100円未満は切捨て、端数は最終期で調整するのが実務慣行です。

期 標準納期月 東京都23区の例
第1期 6月 6月30日
第2期 8月 8月31日
第3期 10月 10月31日
第4期 翌1月 翌1月31日

※ 各市町村の条例で具体的納期日(末日/中旬等)が異なります。大阪市・横浜市・名古屋市の 納期日は2026年5月再確認の暫定値です。お住まいの自治体から届く納付書の日付が正式な期日です。

退職金住民税の分離課税(地方税法第328条〜第328条の5)

退職金の住民税は通常の住民税(前年所得に基づく月額徴収)と完全に分離して計算されます。 退職時に支払者(会社)が源泉徴収し、翌月10日までに自治体へ納入することで完結します。 翌年度の住民税算定に影響しません。

端数処理は「合計10%に対して1回」ではなく、市町村民税6%・道府県民税4%をそれぞれ100円未満切り捨ててから合算します。 根拠は地方税法第20条の4の2第3項前段(確定金額の100円未満切捨て)です。 同条第8項に道府県民税と市町村民税を「一の地方税とみなす」規定がありますが、 括弧書きで「確定金額の全額が百円未満であるときに全額を切り捨てる部分に限る」と対象が限定されているため、 通常発生する端数切捨てには及びません。両税は別個の地方税のまま個別に端数処理します。

例えば課税退職所得が2,533,000円なら、市町村民税は151,980円 → 151,900円、道府県民税は101,320円 → 101,300円、 合計253,200円です(合計10%で1回だけ切り捨てる方式なら253,300円となり100円ずれます)。 東京都大田区・広島市・磐田市などが公開している退職所得の住民税計算例も、この個別切捨て方式で記載されています。

なお第3項は2つの局面を定めています。前段が「端数があるとき」の端数切捨て、後段が「その全額が百円未満であるとき」の全額切捨てです。 第8項が両税を一の地方税とみなすのは後段に限られるため、全額切捨ての可否は常に両税の合算額で判定します。 一方、税額そのものが100円未満のときはその金額が「端数」ではなく「全額」なので、前段の端数切捨ての対象になりません。 つまり合算額が100円以上なら全額切捨ては発動せず、100円未満の税額はそのまま残ります。

この扱いになるのは課税退職所得が1,000円または2,000円のときだけです。退職金ベースでは、 一般の退職(2分の1課税が適用される場合)は退職所得控除額を2,000円〜5,999円上回るとき、 役員等で勤続5年以下(2分の1課税が適用されない場合)は1,000円〜2,999円上回るときが該当します。 課税退職所得が3,000円以上なら両税とも100円以上になり、通常どおり個別に100円未満を切り捨てます。

「退職金があると翌年の住民税が高くなる」は誤解です。退職金住民税は退職時に一度だけ 源泉徴収で完結するため、翌年度の住民税には影響しません。 退職金の所得税・復興特別所得税の計算は 退職所得計算ツールで確認できます。

よく混同される4つの誤解

誤解1: 「6月退職なら全額普通徴収になる」
5月分(当年度最終月)はすでに5月の給与から通常徴収済みです。6月退職の場合は 6月分以降(残11ヶ月分)が普通徴収の対象であり、5月分は別途追加されません。
誤解2: 「退職金からも翌年住民税が引かれる」
退職金住民税は退職時に分離課税(地方税法第328条)で完結します。 翌年度の住民税算定には含まれず、前年所得ベースの月額住民税とは完全に別の計算です。
誤解3: 「失業中は住民税が免除される」
免除されません。前年に収入があれば退職後も前年所得分の住民税が課税されます。 納付困難なら徴収猶予(地方税法第15条)の申請は可能ですが、免除とは異なります。
誤解4: 「1〜5月退職は必ず一括徴収」
最終給与と退職金の合計が残月割額を超える場合のみ一括徴収です。 給与・退職金が少額で残額をカバーできない場合は、普通徴収に切り替わります (地方税法第321条の5第2項ただし書)。

退職後の住民税に関連する手続き

計算の根拠・免責

根拠法令

一次ソース

暫定値について

大阪市・横浜市・名古屋市の普通徴収納期日は2026年5月再確認の暫定値です。 各自治体の条例改正等により変更される場合があります。 正確な納付期日はお住まいの自治体から届く納付書、または市区町村の税務課でご確認ください。

免責

本ツールの計算結果は参考値です。各市町村の条例で具体的納期日が異なるため、 正確な納付期日・金額はお住まいの自治体の納付書または納税課にご確認ください。 退職所得控除・課税退職所得・分離課税額は概算であり、実際の徴収額は会社の給与計算 担当や所轄の税務署・市区町村にてご確認ください。徴収猶予・分割納付の申請、 退職金の確定申告は税理士・社労士などの専門家にご相談ください。

※ 計算結果は参考値です。正式な金額・納期日は管轄の市区町村役所、または税理士にご確認ください。

本ツールは令和8年度(2026年6月〜2027年5月適用)の税率・基準をもとに計算しています。最新の情報は各省庁のWebサイト等でご確認ください。