NISAの利益の確定申告|非課税で申告不要、でも損益通算できない罠に注意

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NISA口座の利益は非課税で申告不要だが損失は損益通算できないことを示すアイキャッチ

NISA口座の利益に確定申告は必要?譲渡益・配当はすべて非課税で申告は不要です。一方で損失が出ても税務上「ないもの」として扱われ、特定口座・一般口座の利益との損益通算や3年繰越控除には一切使えません。この非対称な仕組みと、課税口座との使い分けの考え方を整理します。

結果別の判断分岐

あなたの結果:非課税なので確定申告は不要です

NISA(少額投資非課税制度)口座での譲渡益・配当は、いくら利益が出ても非課税です。20.315%の税金がかからないので、税引き後の手取りがそのまま増えます。利益が出た方は、ここで手続きは完了です。

ただし、NISAには見落としやすい「損失の罠」があります。損が出たときに課税口座とは扱いがまったく違うので、この先を読んで理解しておいてください。

NISAが非課税になるしくみ

NISA口座で得た上場株式・投資信託の譲渡益と配当は、租税特別措置法37条の14により非課税とされています。課税口座(特定・一般)なら20.315%が引かれる利益が、NISAなら丸ごと手元に残ります。

項目新NISAの内容
年間投資上限つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=計360万円
生涯非課税限度額1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)
譲渡益・配当非課税(確定申告不要)
税率0%(課税口座は20.315%)

配当を非課税で受け取るには受取方式に注意

NISAで保有する株の配当を非課税にするには、配当金の受取方式を「株式数比例配分方式」(証券口座での受取)に設定しておく必要があります。銀行振込や郵便局受取を選んでいると、配当に20.315%が課税されてしまうので、証券会社の設定を確認しておきましょう。

注意:損失は「ないもの」になる

NISAの非課税は「利益が出たとき」だけのメリットです。逆にNISA口座で損失が出ても、その損失は税務上「ないもの」として扱われます(措法37条の14・国税庁No.1535)。

NISA損失でできないこと

  • 特定口座・一般口座の譲渡益との損益通算ができない(課税口座で利益、NISAで損失でも相殺不可)
  • 上場株式等の配当所得との損益通算ができない
  • 3年間の繰越控除ができない(翌年以降に持ち越せない)
口座利益が出たら損失が出たら
NISA口座非課税(おトク)税務上ないもの・通算も繰越も不可
特定・一般口座20.315%課税損益通算・3年繰越が可能(申告すれば)

損失を取り戻したいなら課税口座の話

「損失を申告して税金を取り戻したい」と考えている方は、それができるのは特定口座・一般口座の損失だけです。手順は 損益通算・3年繰越で取り戻すケースの記事 で解説しています。NISAの損失は残念ながらこのルートに乗せられません。

課税口座との使い分けの考え方

NISAの非対称性(利益は非課税・損失は活用不可)を踏まえると、資産の置き場所には次のような考え方があります。あくまで一般的な整理で、最終的な配分は各自の運用方針によります。

資産の性格置き場所の一般的な考え方
長期で値上がり益を狙う・配当を継続的に受け取るNISA枠を優先(非課税メリットを最大化)
損切りや短期売買で損失も想定する課税口座(損益通算・繰越で損失を活用できる)
NISA枠を超える投資課税口座(特定口座・源泉ありが手間が少ない)

非課税は「使い切り」ではない(売却枠は翌年復活)

新NISAでは、保有商品を売却すると、その商品の取得価額(簿価)分の非課税枠が翌年に復活します。生涯1,800万円の枠を回しながら使えるため、長期保有を基本にしつつ、ライフイベントで売却しても枠が再利用できます。

よくある誤解の処理

NISAの典型誤解3点と正しい情報

  • 【誤】「NISAの損失も他口座の利益と損益通算できる」→ 【正】できません。NISA口座の損失は税務上ないものとして扱われ、特定口座・一般口座の利益との通算も、3年繰越控除も対象外です(措法37条の14・No.1535)。
  • 【誤】「NISAの利益も確定申告が必要」→ 【正】NISAの譲渡益・配当は非課税なので、確定申告は不要です。
  • 【誤】「配当はどの受取方式でもNISAなら非課税」→ 【正】配当を非課税にするには「株式数比例配分方式」(証券口座受取)の設定が必要です。銀行振込等を選ぶと配当に課税されます。

原典: 国税庁タックスアンサー No.1535(NISA)。

次にやること

  1. NISAで利益が出ている方:手続きは不要です。非課税の恩恵をそのまま受け取れます。

  2. NISAで損失が出た方:税務上は活用できません。今後の枠の使い方(長期向き資産を入れる等)を見直しましょう。

  3. 課税口座にも損失がある方:そちらは 損益通算・3年繰越の記事で取り戻せる可能性があります。

出典・参考法令

本記事は2026年5月時点の情報に基づきます。NISA制度の運用や課税口座との配分は各自の運用方針・税務状況により異なります。判断に迷う場合は税理士・証券会社・税務署にご確認ください。

本記事は令和8年度(2026年)の税率・基準をもとに解説しています。最新の情報は各省庁のWebサイト等でご確認ください。