離職率計算ツール 令和5年版|厚労省定義・業界平均比較
年間離職者数と常用労働者数を入力するだけで離職率を即計算。厚労省「雇用動向調査」と同定義で算出し、10業種の業界平均と比較。採用計画や人事制度見直しの根拠数字をすぐ入手できます。
離職率とは?厚労省定義と計算式
離職率とは、一定期間にどれだけの従業員が退職したかを示す指標です。 厚生労働省「雇用動向調査」では以下の計算式で算出します。
離職率(%)= 年間離職者数 ÷ 1月1日現在の常用労働者数 × 100
本ツールはこの定義と同一の式を採用しています。経営会議や採用計画書に記載する際、 厚労省の業界平均との比較がそのまま成立するため、社内外のコミュニケーションで数値の根拠を明示しやすくなります。
「常用労働者」の定義
離職率の分母になる「常用労働者」は、以下の2区分をまとめた概念です。
- 期間の定めなく雇用されている者: 正社員・無期雇用パート等
- 1ヶ月を超える期間を定めて雇用されている者: 有期雇用でも2ヶ月超契約なら対象
逆に日雇い労働者(1日単位や1ヶ月以内の契約を更新しない者)・臨時雇用者は含みません。 契約期間1ヶ月以内のアルバイトは通常除外しますが、2ヶ月超で継続更新している場合は含めるのが正確な算出です。
こんな場面で使えます
- 採用計画の立案: 来年度の採用人数を「欠員補充 + 成長枠」で見積もる前提値として
- 経営会議の資料: 業界平均との比較で、自社の定着率を客観的に説明
- 労務管理の健全性チェック: 離職率20%超が続くと採用・研修コストが累積する
- 採用広報での訴求材料: 業界平均より低ければ「働きやすさ」の根拠データとして活用できる
業界平均との比較で何がわかるか
業種によって離職率の水準は大きく異なります。令和5年雇用動向調査(暫定値)の主要業種を参考にしてください。
- 全産業平均: 15.4%
- 宿泊・飲食サービス業: 34.6%(最も高い業種)
- 教育・学習支援業: 15.5%
- 医療・福祉: 15.3%
- 情報通信業: 11.9%
- 建設業: 10.7%
- 製造業: 10.2%
- 金融・保険業: 8.3%
- 公務: 4.5%(最も低い業種)
自社の離職率が業界平均を5ポイント以上上回っている場合は、構造的な課題の可能性があります。 一方で業界平均を下回っていれば採用広報での訴求ポイントになります。 単年の数字だけでなく3〜5年のトレンドで見ることで、施策の効果検証もできます。
離職率が高い時の改善の方向性
業界平均を大きく上回る場合、以下のような要因を順に点検していくのが定石です。
- 給与水準・評価制度: 業界標準と比べて乖離がないか。基本給・最低賃金の計算と組み合わせて確認を
- 労働時間・残業の実態: 残業時間が慢性的に長くなっていないか
- 法定福利費の負担感: 法定福利費の内訳を従業員に見える化することで、処遇の「見えない手当」を伝えられる
- ハラスメント対策: 相談窓口・研修が機能しているか
- キャリアパスの明示: 入社3年目・5年目でどう成長できるか社員に伝わっているか
採用・定着率改善に取り組む場合、社会保険労務士や採用コンサルタントに相談することで、 自社状況に合った人事制度設計や採用戦略を体系的に組み立てることができます。
計算の注意点
- 分母は「1月1日現在」: 期中採用者の増減を除いた年初時点の在籍数を使います
- 分子は「1年間の離職者累計」: 会計年度ではなく暦年(1月1日〜12月31日)で集計するのが標準
- アルバイト・派遣の扱い: 常用労働者の定義に合致するかで含める/除くを判断します
- 定年退職の扱い: 一般に離職者数に含めますが、社内分析では分離集計すると示唆が明確になります
- 中途入社・中途退職の期中調整: 厚労省定義では分母を暦年初固定のため、期中採用分は分母に加算しません
業界平均データのソースについて
本ツールの業界平均は厚生労働省「令和5年雇用動向調査(暫定値)」に基づいています。 令和6年分が確定公表された時点で値を更新します。最新の確定値は 厚生労働省ウェブサイトの「雇用動向調査」ページでご確認ください。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. アルバイトは離職率の計算に含めますか?
契約期間によって異なります。雇用契約が1ヶ月以内の場合は「常用労働者」に該当しないため除外します。 一方、2ヶ月超の有期契約で継続更新しているアルバイトは常用労働者に含めるのが厚労省の定義に沿った扱いです。 学生アルバイトで短期シフト単位の場合は通常除外し、長期勤続のパート社員は含めるケースがほとんどです。 自社基準で迷う場合は社会保険労務士に確認するのがおすすめです。
Q2. 年度途中(4月〜3月)で集計したい場合はどうすればよいですか?
厚労省定義は暦年(1月1日〜12月31日)固定ですが、社内管理用に会計年度(4月〜3月)や任意期間で算出することは問題ありません。 ただしその場合、厚労省公表の業界平均との比較は参考程度にとどめてください(分母の基準時点が異なるため完全一致しません)。 外部公表や採用広報に使う場合は、暦年ベースの数値を用いる方が説得力があります。
Q3. 業界平均との差をどう読み解けばよいですか?
おおまかな目安として、業界平均との差が±5ポイント以内なら概ね標準的な水準です。 業界平均を5ポイント以上上回っている場合は、給与・労働環境・採用基準のミスマッチ等の構造的要因を疑うべきサインです。 逆に5ポイント以上下回っている場合は、採用広報や求人票に「定着率の高さ」を具体的数値として記載すると候補者の信頼獲得につながります。 単年ではなく3年分を並べてトレンドを確認するとより精度の高い判断ができます。
Q4. 離職率が高い場合、どんな対策が有効ですか?
まず離職理由を把握することが先決です。退職者アンケート(エグジットインタビュー)で本音を集め、 「給与・評価への不満」「職場環境・人間関係」「キャリアビジョンの不一致」のどれが主因かを特定します。 給与面が課題なら欠勤控除や残業時間の適正管理を含む処遇見直しが起点になります。 構造的な人事制度改革が必要な場合は、採用・定着専門のコンサルタントや社会保険労務士への相談が効果的です。
Q5. 採用活動のKPIとして離職率をどう活用しますか?
採用KPIとして離職率を使う場合、「入社〇年以内の早期離職率」を別集計するとより精度が上がります。 全体離職率が低くても、入社1〜2年以内の早期離職が多い場合は採用基準またはオンボーディングに課題がある可能性があります。 採用コスト(求人広告費・エージェント手数料)と合わせて「一人当たり採用コスト ÷ 平均在籍期間」で費用対効果を計算し、 採用チャネルごとの定着率比較に活かすと採用予算配分の判断基準になります。 法定福利費計算も参照し、人件費の総量を把握した上で採用戦略を立案してください。
関連ツール
- 法定福利費計算 — 社会保険料・雇用保険など会社負担分を算出。人件費の総量把握に
- 欠勤控除計算 — 欠勤日数から控除額を計算。就業規則との整合確認に
- 有給休暇計算 — 付与日数・残日数の管理。定着率向上施策の評価指標として
- 基本給・最低賃金チェック — 地域別最低賃金との照合。給与水準見直しの起点に
※ 計算結果は参考値です。正確な離職率の算出・業界比較には、自社の労務データと厚生労働省公表値を突き合わせてご確認ください。 労務管理体制の見直しは社会保険労務士、採用戦略の相談は採用コンサルタント・人材エージェントにご相談ください。 本ツールは令和5年雇用動向調査(暫定値)のデータを使用しており、最新の確定値とは異なる場合があります。
本ツールは令和5年(2023年)雇用動向調査の税率・基準をもとに計算しています。最新の情報は各省庁のWebサイト等でご確認ください。
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